by shigemk2

当面は技術的なことしか書かない

アジャイルサムライ 現実と向きあう

固定された計画の問題

一点の曇りもない計画でも狂いが生じることはままある。そのファクターとして

  • 主力開発者の引き抜き
  • ベロシティが思ったほど高くない
  • 顧客の要求に気付いてプロジェクトの目的を変更せざるを得なかった
  • 時間が無くなった

などがあるだろう。

というわけで、こういう現実に立ち向かうためには、次の4つの基準を
満たせるような計画の立てかたを身につけなければならない。

  • 顧客にとって価値ある成果を届けられる計画
  • わかりやすくありのままを伝える、誠実な計画
  • 約束したことを守り続けられる計画
  • 必要に応じて変更出来る計画

マスターストーリーリストを作成する
それはToDoリストであり、かつフィーチャの一覧でもある。
そして良いリストの長さは1ヶ月から6ヶ月の間

プロジェクト計画を立てるためにはイテレーション数を算出すると良い

イテレーション数=作業量の合計 / チームの予想ベロシティ

ただし、厳格にイテレーション数を決める必要はない。
最初の計画を厳格なコミットメントとして扱うと、プロジェクトは始まる前から死んだも同然だ。

スコープを柔軟にする
新しいストーリーを追加するときは、古いストーリーを削除するように顧客にお願いすること
(スコープを作業範囲内に収めることが出来、かつ開発費用も節約出来る)
それを顧客に拒否されたら、「奇跡によるマネジメント」を行うか、「ありのままを伝える」かを選ぶ

リリース単位のMMFについて

特に以下の2つは超重要

  • Minimal すぐに成果を届け始めたい
  • Marketable 市場価値の必要性

プロジェクトのプランニングに必要なこと
1. マスターストーリーリストを作る
2. プロジェクトの規模を見極める
3. 優先順位をつける ビジネスの観点から顧客に優先順位をつけてもらう
4. チームのベロシティを見積もる

チームのベロシティ=完了したストーリー数 / イテレーション数

5. 期日を仮決めする
「期日固定」か「フィーチャセット固定」かを選ぶ
フィーチャセット固定とは、中核をなすフィーチャのまとまりに含まれるフィーチャを
全て完成させるまでは作業を続ける作戦のこと

バーンダウンチャート
縦軸を残っている作業の総量とし、イテレーション毎に棒グラフを減らしてくチャート方式。
(ただし綺麗に総作業量が減ってくとは限らないので、ベロシティとかを計算するときは注意すること)
バーンアップチャート
縦軸を完了した作業量のぶんだけ棒グラフを増やしてくチャート方式

プロジェクトを途中からアジャイルにしていく
とりあえずプロジェクトがうまくいいってないなら、以下の質問に全員が答えられるかどうか試すと良い

  • このプロジェクトにいるのはなぜ?
  • 成し遂げようとしていることはなに?
  • 顧客は誰?
  • 解決すべき主要な課題は何?
  • 最終判断を下すのは誰?

これらの質問にひとつでも回答がおぼつかないものがあるなら、インセプションデッキを
作ることを考慮する
インセプションデッキの話
アジャイルサムライ みんなをバスに乗せる - by shigemk2

マスターストーリーリストを作り、
リストの規模を見極め、
フィーチャに優先順位をつけ、
顧客に見せる。

好む好まないに関わらず、計画は変更される。

  • 新しい要求をつきつけられる→期日を延ばす
  • ベロシティが低い→ベロシティの計算
  • プロジェクトからエースが消える→ベロシティの計算
  • 時間が足りない→フィーチャを減らす