1年前、内定の決まっていた会社を諸事情により辞めて、そのまま
大学を卒業してしまった僕は、
何もする事がないので友人に勧められるままにプログラミングの勉強を始めた。
とりあえずRubyを始める事にした。
理由は、「今一番熱いプログラミング言語だから」
友人が勧めてくれた教科書を頼りに、
貧弱なネットブックとメモ帳を使ってプログラミングの勉強を開始した。
と同時に、某居酒屋チェーンWでアルバイトも始める事にした。
キッチンの仕事で、餃子だの出し巻き玉子などを作る仕事だった。
しかしその居酒屋での仕事が本当に辛かった。
僕がドンくさかったというのもあるが、
料理の仕方を親切に教えてくれない。
バイトのシフトもあまり組んでもらえない。
ミスをしたら激しく罵倒され、
分からない事があるので質問をしても「自分で考えろ」と言われる。
社員には顔を合わせる度に「あれ、まだ辞めてなかったんだ」と言われた。
それでも何ヶ月かは耐えたが、正直本当に嫌だった。
バイトの時間になる度に吐き気がするし、
「熱でも出てしまえ、そうしたら俺は休めるのに」と本気で思った。
醤油を一気飲みして自分の体を壊そうかと思ったくらいである。
あまりにしんどいので、気晴らしに知り合いの人妻と映画を見に行く事にした。
これが超つまらなかった。多分今まで見た映画の中で一番つまらなかったと思う。
誘った彼女に対し本当に申し訳なく思ったくらいである。
帰りに、一緒に本屋に寄った。彼女はなんかの小説を買っていったが、
僕はプログラミング関連の本やら雑誌やらを漁っていた。
とそこへ彼女がやってきて、友人の親友であるid:tomoyaさんが書いたというEmacsについての記事が載っている
雑誌を紹介してくれた。
WEB+DB PRESS Vol.58 特集 Emacs 活用∞
当時エディタはTerapadを使っていて、別にエディタなんか興味なかったけど、
とりあえず「出来る事は何でも」と思っていたし、友人の友人が記事を書いたという事で、
その雑誌を購入して、Emacsの事について勉強を始めた。
これが僕とEmacsとの最初の出会いである。
この出会いの1週間後、僕は居酒屋のバイトを辞めた。
そしてこの出会いの約半年後、僕は(曲がりなりにも)Emacs使いのプログラマとしてのキャリアをスタートさせる事になる。
あのバイトを通して仲良くなった友達もいなかったし、
本当につらいだけだったので、あのバイトには何の未練もない。
楽しい時間など微塵もなかった。
唯一良かったのは、仕事が終わったあとの開放感だったが、
そんなものは精神的に不衛生な感情である。
ただ、あの時居酒屋のバイトで死ぬ程つらい目にあわなければ、
あの本屋であの雑誌に、というかEmacsに巡り合う事もなかったかもしれない。
だから、あの居酒屋には感謝…しませんよ。出来るわけありませんよ。
死ぬ程嫌な目にあいましたからね。
あの居酒屋で働いていた人たちとは、もう二度と会うこともないでしょう。
お酒飲めないですし。
まあそれだけのお話です。
でもまだまだ精進しないといけませんね。はい。
- 作者: 松田明,大竹智也,はまちや2,外村和仁,横野巧也,島田慶樹,増井俊之,ミック,和田裕介,伊藤直也,塙与志夫,大沢和宏,原悠,浜本階生,uupaa,矢野りん,中島聡,中島拓,角田直行,WEB+DB PRESS編集部
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