by shigemk2

当面は技術的なことしか書かない

魔法のおなべ 5 逆転した共有地

LinuxとかApacheあたりのOSSでの協力を維持する経済的な力

共有地の悲劇」(ギャレット ハーディン)

百姓が農業のために共有地を無秩序に使うと、
土壌が痩せ細って使い物にならなくなってしまうから、
そうなる前に最大の価値をそこから引き出さなければならない

オープンソースの問題はただのり問題(提供不足)であって、混雑した公共財(使いすぎ)ではない。
オープンソースをいくら使ったところで、その価値は下がらず、使われれば使われるほど逆にその価値を高める

また、共通のソースコードのベースに対する小さなバッチの推定市場価値を回収するのは難しい。
というか、そもそもその値段を決めることすら難しい。
こういう商品の価値を決めるには、超越者の存在が必要になるから。

ハイエクのcalculation probrem だが、calcuration problemはハイエクじゃなくてミーゼスからだった
Economic calculation problem - Wikipedia, the free encyclopedia

The economic calculation problem is a criticism of using economic planning as a substitute for market-based allocation of the factors of production. It was first proposed by Ludwig von Mises in his 1920 article "Economic Calculation in the Socialist Commonwealth" and later expanded upon by Friedrich Hayek.

OSSの複雑さとコミュニケーションのオーバーヘッドは、ほぼ完全に、参加している開発者の数の関数になる。

OSSの真のただのり問題は、むしろパッチを提出するときの摩擦コストに比例したものとなる。
作ったパッチをただで使われるより、提出するためには要約を書いたり権利書にサインしないといけなかったり、
パッチをきれいにしないといけなかったりと、技術的な問題よりも政治的な問題のほうが大きいから。

しかしそれでもなお、パッチを作る人はクローズドソースの作業をやめずに、OSSでの作業をやろうとする。
なぜだろうか。