by shigemk2

当面は技術的なことしか書かない

ノウアスフィアの開墾5 ロックと土地所有権

突然の英米系哲学とコモンロー。

ハッカーあちが暗に主張している所有理論は、英米慣習法における土地所有権の理論とほとんどまったく同じなんだ!

開墾(homesteading)することで所有権を獲得できる。つまり、自分の労働を所有されていない土地に混ぜ込み、囲いをつけて自分の地権を守ることによって。

遺棄された土地は、占拠によって所有権の主張を行える

積極的によく似た理論は、ある物件が経済的または生存上で高い価値を持っていて、しかも希少財の配分について、中央集権的に強制するだけの力を持った単一の権威が存在しないところで必ず生じるようだ。

この論文の題名に出てくる「ノウアスフィア(noosphere)」というのはアイデア(観念)の領域であり、あらゆる可能な思考の空間だ。ハッカーの所有権慣習に暗黙に含まれているのは、ノウアスフィアの部分集合の一つであるすべてのプログラムを包含する空間での、所有権に関するロック理論なんだ。だからこの論文は「ノウアスフィアの開墾」と名付けた。新しいオープンソース・プロジェクトの創始者がみんなやっているのがそれだからだ。

オープンソース活動で人々がもっと金持ちになれる方法が一つなくはない-そしてそれは、その実際に動機に貴重なヒントを与えてくれるものではある。しばしば、ハッカー文化で人が獲得した評判は実世界でも反映されて、それが経済的に意味をもってくることがある。もっといい仕事が得られるとか、コンサルタント契約が手に入るとか、あるいは本の執筆依頼がくるとか。