by shigemk2

当面は技術的なことしか書かない

今夜わかるTCP/IP 5 リンク層

前回はこちら
今夜わかるTCP/IP 4 アプリケーション層 - by shigemk2

第5章のタイトルはアプリケーション層になっているけど、
実際はリンク層のお話です。

リンク層とは、主にハードウェアの規格を決めるプロトコル群のこと。


コンピュータはLANにどのように接続されているのか?

  • LAN接続の形状には主に3つある。
  • スタートポロジー (車輪のような形状)
  • リングトポロジー (ループ状に連結されている)
  • バストポロジー (1本のケーブルからバスに接続されているコンピュータ)

スタートポロジー以外は、ケーブルが1本でも障害を起こしたら、
他のネットワークも使えなくなる。
リングトポロジーだと、ネットワークが正しく動作しているかどうかを簡単に検出できる
バストポロジーの場合、ケーブルの数が少なくてすむ。

イーサネット
イーサネット - Wikipedia
コンピューターネットワークの規格の1つで、
世界中のオフィスや家庭で一般的に使用されているLAN (Local Area Network) で最も使用されている技術規格である。

イーサネットはCSMA/CDを使っている。

  • CSMA(Carrier Sense wit Multiple Access 搬送波の検知により電気信号を送信するかしないかを決める方式)
  • CSMA/CD (Carrier Sense with Multiple Access / Collision Detect 信号が同時に送られたとき、信号の衝突を検知したら

信号の送信を停止する = 衝突検出機構付搬送波センス多重アクセス)

イーサネットの当初の速度は10Mbpsだが、頻繁に信号の衝突が起こり、最終的には4Mbpsまで速度が下がることが
ある。

そのため、ファーストイーサネット(100Mbps)やギガビットイーサネット(1Gbps)など、速度を上げることで
この問題に対処している。

他にも
トークンリング(輪番で送信権を授受する方法)がある。これを使った技術として、

  • FDDI (Fiber Distributed Data Interconnect ファイバー分散データ相互接続で、2つの完全な光ファイバーリングトポロジーから成る冗長的な構成を利用して障害を防ぐやりかた)
  • ATM (Asynchronous Transfer Mode 固定長セル(53バイト)の使用と高速スイッチング技術による高速通信で素早いデータの送受信を可能とする技術)

などが使われている。

また

  • SLIP (Serial Line IP RS-232シリアルポートとモデムなどを経由して、システムをネットワークに接続する単純な方法。IPのデータしか通せない、エラーを検出するためのチェックサムがないなどの欠点がある)
  • PPP (Point-to-Point Protocol SLIPを発展させたプロトコルで、一般家庭で広く使われているプロトコル)

長所として

  • 単一のシリアル回線上でIPデータグラムだけでなく、複数のプロトコルをサポートする
  • 各エンドとIPアドレスを動的に交渉出来る
  • TCPとIPヘッダーを圧縮できる
  • リンク制御プロトコルでさまざまなデータリンクオプションが交渉できる
  • PPPoE(PPP over Ethernet 接続自体に認証のないイーサネットをPPP式で認証を行う。これにより認証時間を利用して課金を行うことも出来る)

PPPoA (PPP over ATM)もあるよ。

無線LANのプロトコル
IEEE802.11bIEEE802.11aなどのプロトコルがある(これらはCSMA/CDに似たCSMA/CAという技術を利用している)


ケーブル
敷設するLANの規格は10Base5、10Base2、10BaseT、10BaseFLなどがある。
また、ケーブルにはThick Wire(10Base5)、Thin Wire(10Base2)、ツイストペア(10BaseT)、
光ファイバー(10BaseFL)などの種類がある。

また、無線LANも忘れてはいけない。

接続機器に必要な機能

  • トランシーバ トランシーバをセグメントケーブルに取り付け、同軸ケーブル上での衝突検知とネットワーク機器への通知を行う)
  • MAU(Media Access Unit 各伝送チャネルとの信号変換を行う)
  • リピーター(ハブ)
  • ブリッジ (データリンク層での中継機能をもつ)
  • スイッチングハブ (データリンク層で中継機能をもつ)
  • マルチレイヤスイッチ (ネットワーク層より上のデータをもとにパケットを制御する)
  • ルーター (ネットワーク層での中継機能をもつ)
  • ブルーター(ブリッジとルーターの機能を併わせ持った接続機器)

ハブの接続方法

  1. カスケード接続 (ツイストペアケーブルでハブを多段に接続する)
  2. スタック接続 (専用ケーブルもしくはラックでつなぐ)

ハブの接続制限
5セグメント、4リピーター、3同軸ケーブルまでとなっている。

今夜わかるTCP/IP (Network)

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